Natsu life

娘・家族・仕事。大切なものをもっと大切にしたい。お母さんエンジニアの思うこと。

病気の少年とそのお母さんから学んだこと

娘が図書館でたまたま手にした本の中に、心に響いた1冊がありました。

4歳で進行性の難病が発覚し、徐々に体も知能も衰えて、いずれは寝たきりになってしまう。すでに、小学校にあがったくらいのときには、お母さんとの意思疎通も難しくなりつつある、そんな少年の実話です。

少年のお母さんが彼の夢を叶えるべく、ボランティアの方々の力を借りて、イルカに会うための旅に出かけます。夢を叶えた正ちゃんの症状は、一時ではありながらも改善します。想像を遙かに超えた苦労や悩みを抱えているであろう少年のお母さんの、数々の思いが込められた1冊です。


娘は今4歳。主人公の正ちゃんが病気だと分かったのと同じ年齢です。

お話が少し難しいかもしれないよ、と前置きをして、読んであげました。

神妙な顔つきで一生懸命ストーリーを理解しようとする娘を見て、きっと色々と感じているのだろうなと思いました。

世の中には色々な人がいます。障害を持つ人、病気の人、お年寄り、赤ちゃん、元気な子供や大人。自分には必要のないものやサポートを必要とする人がいるということを、「特別」ではなくて「当たり前」のこととしてとらえられるようになって欲しいなと思うのです。


娘がどこまで深く理解したかは分かりません。でも、読んであげたあともしばらくは釘付けで、何度もページをめくり直していたところを見ると、何かを感じ取ったのではないかと思います。理解はできなくても感じることができるのが、絵本のいいところ。

そして、親である私もまた、この1冊から多くのことを学びました。

娘が今、元気よく成長していることも、自分が毎日仕事を楽しめることも、ついつい当たり前だと思ってしまいがちだけど、そうではなくて、もっと感謝の気持ちを持たなくてはいけませんね。

そして、もしかしたらいつの日か、私たち家族にも良からぬことが起こるかもしれない。でも、正ちゃんのお母さんのように、子供の前では気丈に振る舞い、小さくてもいいからたくさんの楽しい経験を積み重ねていけるよう、母親としても成長していきたいものです。

うまく言葉にできませんが、最高の育児書だなと感じた1冊でした。読んだあと、子供が一層いとおしくなります。