【書評】ママの心がふわりと軽くなる子育てサプリ
スポンサーリンク
先日、こちらの記事でも書いたように、娘のしつけで少々悩んでおりました。
この機会に以前から気になっていた佐々木正美先生の本を読んでみることにしました。児童精神科医である佐々木正美先生の著書としては、「子どもへのまなざし (福音館の単行本)」が有名ですが、これはハードカバーでなかなかの読み応えのある本です。
まずは、手軽に読める一冊として「子育てサプリ」を選びました。
本書は、子供の「こころ」に注目した育児書です。日々の育児で遭遇する様々なトラブルに対して、子供たちはどう感じているのかを解説しながら、その対処方法が書かれています。
マンガ家松本ぷりっつのイラストも入っていて読みやすく、タイトル通り、育児に悩んで心を軽くしたいときに読むのにぴったりです。
全部で38のエピソードが書かれていますが、その中でも特に気になった(気に入った)ものをいくつか紹介します。
2. 子どもは「過保護」で育ててください。主体性がはぐくまれのびのびした子に育ちます。
ここで「過保護」とは「子どもの望むことをかなえてあげすぎること」とし、「過干渉」と区別しています。「過干渉」は、例えば子どものためと思ってたくさんの習い事をさせるなど、本当は子どもが望んでいない(望んでいるのであれば問題ないですが)ことをあれこれやり過ぎることだとしています。
佐々木先生の育児論では、この「過保護」を非常に重要視しています。無条件に親から愛されていると感じることが重要であり、それなくして他者を大切に思うことはできないということです。
自分の育児生活で最近あることに気がつきました。保育園から帰宅して、急いで食事の支度を始めようとするときに限って娘の抱っこ攻撃がやってきます。
最初の頃は、「ごはん作らないといけないからちょっと待っててね」とどうにか交わし、騒ぐ娘をあやしつつ食事の支度をしていたのですが、最近、10分は娘とだけ向き合おうと決め、抱っこしたり遊んだりするようにしてみました。
そうすると、10分もしないうちにだいたい一人で遊び始め、「ママはごはん作ってきて」と言ってくれます。本当に不思議です。そのあとは集中して動けるので、結果的にはすべてがスムーズにいくようになりました。
成長してそういう年齢に達したのかもしれませんが、もしかしたらこれも1つの「過保護」がうまく作用したのかもしれないなと思いました。
10. どんなときに厳しく叱るのか家庭の基準を持ちましょう。
子供を叱るとき、 「注意する」程度でいいことなのか「これだけは絶対分かってもらいたい」ことなのか、その基準を家庭内で統一しましょうという内容です。
いつも同じトーンで叱っていると子供にはなかなか伝わらなくなります。これは私自身すでに感じ始めていたことでした。確かに、食事中にコップの水で遊んだときと、友達をゴツンと殴ったときで叱り方が同じでは問題ですね。
どういうときに厳しく叱るかを決めたら、それ以外の場面ではできるだけ穏やかに繰り返し言って聞かせるようにするといいようです。
繰り返し言って聞かせるという点では、次の項目も目にとまりました。
15. できるようになるまで何度も繰り返し伝え、穏やかに「待つ」。それが、しつけです。
「自立性」(自分で考えて自分で自分をコントロールする力)を養うためには、じっくり考えて、試して、失敗して、また考える時間が必要と書かれています。
親に色々と言われて動いているうちは、自立しているわけではないのですね。要領がよければ親の言う通りにうまくやれるとは思いますが、それでは将来的に困ります。
「待つ」というのは本当に大変です。娘にも、自分で何でもやりたがる時期がありました。親が手伝うことは許されず、ひたすら熱心に頑張っていました。朝の忙しいときに着替えから靴を履くまで、果たして何分かかっていたことでしょうか。少しでも手を出したら、泣きながら裸になってやり直しでした(そして脱ぐのにも時間がかかります・・・)。
そんな娘の気の強さも手伝って、私には「待つ」以外になせる技がありませんでした。結果、今では身支度は難なくこなします。当時はイライラも絶頂でしたが(苦笑)、今こうして本書を読んでいて、あのとき待ててよかったと思います。
それでも、毎日を振り返ってみると急かしていることも少なくありません。時間は有限。もちろん全てを完璧に「待つ」ことはできません。しかし、それができなかったとき、待ってあげられなかったことには気がついてあげたいものです。
19. 「ありがとう」と「ごめんなさい」は親が大切にすべき言葉です。
「ありがとう」「ごめんなさい」が言える子供に育って欲しければ、まずは親がこれらの言葉を使っている場面をしっかりと見せる必要があるということです。
これは、私が保育園の先生からいただいたアドバイスそのものですね。詳しくはこちらの記事で書いています。
無理矢理あいさつをさせるのではなく、どういう場面で「ごめんなさい」が必要なのか、普段の生活でしっかりと見せてあげようと思います。
佐々木先生は、子ども中心の育児を推奨しています。子どもの要求をできるだけ叶え心を満たしてあげる、それこそが育児を順調に進めるカギであると。
これから育児を始める方ももちろん参考になる点は多いと思いますが、それよりも、すでに試行錯誤しながら育児に奮闘している人たちにお勧めしたい一冊です。
2人目育児のことも書かれています。「二人目の子が生まれたその日から上の子”優先”で育てましょう。」など、なるほどなと思うことがいくつか載っています。
育児書には合う合わないがありますし、すべてを鵜呑みにする必要はないと思いますが、もしこの記事を読んでなるほどなと思ったことがあれば、手に取ってみて損はないと思います。
本書を一通り読んで、娘の行動が理解できた部分が多々あります。そして、本当に心が軽くなりました。今度は「子どもへのまなざし」も読んでみようと思います。