【書評】新・子どもに食べさせたいおやつ 〜 簡単に手作りするためのヒントがたくさん詰まった一冊
平日、夕方まで保育園にいる娘は、家でおやつを食べる機会が週末しかありません。
お菓子を買ったところで少し食べては残って古くなってしまうことが多く、そのうちほとんど買わなくなりました。
最近では週末のおやつは自給自足。食べたければ一緒に作ろうよと。
私が1人で作ることもありますが、午前中どこにも行かずに家で遊んでいるときは、できるだけ誘って一緒に作るようにしています。おままごとが長時間続くと大人は飽きてきますし、お菓子作りの誘いにのってもらえる方がむしろ助かることも。こういうときは、午前中に作っておいておやつの時間に食べます。この「おやつを待つ時間」がまた楽しかったりするのです。
手作りおやつなんて聞くと、ちょっと(いや結構?)面倒な気もしますが、それがそうでもありません。
この本に出会って、おやつ作りを楽しめるようになりました。
手作りおやつの参考書
子どもと一緒に作れるシンプルなレシピ
簡単な一品だと、例えば「のりチーズ」。スライスチーズを海苔で挟んだだけという、一瞬で完成するおやつです。何の用意もなくおやつの時間を迎えてしまったときの救世主です。
これが娘には大ヒット(大人が食べてもおいしい!)。
もちろんちゃんとしたクッキーや羊羹なども掲載されていますが、どのレシピもシンプルで手間はそれほどかかりません。子どもと一緒に作れる簡単レシピが満載です。
おやつと言っても甘いものばかりではなく、おにぎりやピザ、サンドイッチなどのいわゆる「捕食」もたくさん載っていて、レパートリーが広がります。
素材について考える
素材についてもよく考えられていて、砂糖や粉類、乳製品などそれぞれの特徴が説明されています。「子どものためには必ずこれ」という答えがあるわけではなく、あくまでも解説。押しつけ感もないのですんなり読めます。
例えば甘味ならきび糖に黒砂糖、さらにはメープルシロップや蜂蜜などを使い分けることができます。素材の特徴に加えて、黒砂糖や蜂蜜は、乳児ボツリヌス症予防のために1歳までは控えるべきといった注意点も書かれているので、一読しておくと安心です。
各食品の特徴を把握した上で使うことは大事ですね。
食べる量について考える
掲載されているいくつかのレシピの適量や、食品ごとの摂取適量が年齢ごとにまとめられていて、これがとても参考になります。
例えば砂糖。3歳〜5歳ではおよそ5グラムが1日の摂取目安です。これは、3度の食事も併せての量なので、おやつで摂るべき糖分は決して多くはありません。自分で作ったお菓子だと、1つ(または1切れ)に砂糖や油脂がどれだけ入っているかはすぐに分かります。
おやつに砂糖や油脂が多く含まれていたと思えば、夜ご飯で調整できます。
夜ご飯で調整しきれなければ翌日で。あまり神経質にならず、ざっくり1週間単位でそれなりにバランスが取れるように注意しています。
ここにもまた自分で作ることのメリットがひとつ。材料とその量を知っていることで、むやみに食べ過ぎを心配する必要もなければ、無駄に我慢させる必要もありません。
もちろん食べる量には個人差があるので一概には言えません。以前、小児科医から、全体量が多くてもバランスよく食べていて急な体重増加や体調不良がなければ大丈夫とのアドバイスを受けたことがあります(娘はものすごくよく食べます)。ただ、目安があるととても安心できるものです。
大忙しの毎日に、食品成分表とにらめっこして調理する余裕なんて皆無です。でも、目安を知っていることで、「適当にやる」ことがうまくなれる気がするのです。
番外編 クックパッド
上で紹介した本に加えて、クックパッドにもかなりお世話になっています。
最近娘(3歳)と一緒に作って、作ることも食べることも楽しめたおやつを二品をご紹介。
どちらもバターを使っていないところがポイントです。サラダ油で作るケーキ類は混ぜるのが簡単なので子どもにお手伝いしてもらいやすいのです。もちろん、サラダ油といえどまだまだ子どもだけできちんと混ぜることは難しいですが、やっている気分になれるところがいいと思うのです。
最後はハンドミキサーを使うこともありますが、娘にはできるだけ材料を入れて混ぜるところを見せています。おやつを食べながら、入っている材料についての会話が広がったりして楽しいから。
それなりに汚れますし、ときとして悲劇的なことも起きますが(ボールがひっくり返るとか)、そのときの手間を差し引いても親子の有意義な時間になることは間違いなしです。
手作りなんてちょっと面倒と一瞬思いがちですが、子どもにとってはお手伝いも遊びのうち。親だけが時間を割いて子どものためにおやつを作るのではなく、子どもと遊ぶ時間の一部をおかし作りにあてればいいのです。
興味を持つかは子ども次第だと思いますが、楽しんでくれたならきっとそこから色々な発見があるはず。
もちろん、いつでも一緒に作らなくてはなんて思っていませんし、そもそも常に手作りしなくては、なんて全く思ってはいません。子どもが自分で作ったり、お母さんが作ってくれたり、市販品だったり外食だったり。そういうメリハリがあってこそ、親も子も手作りの楽しさに触れられるのではないかと感じています。
負担にならず楽しみながらできてこその手作りおやつ。上で紹介した1冊には、手作りおやつを楽しむためのヒントがたくさん載っています。お勧めです。
洗濯機排水フィルターの掃除は排水溝ネットで!
洗濯機には色々と悩まされている我が家ですが、面倒なお手入れのひとつに排水フィルターの掃除というものがあります。
ドラム式の洗濯機を見ると、前面の下の方にフィルターがついていますが、これが排水フィルターです(メーカーによっては糸くずフィルターとも呼んでいるかもしれません)。排水する際にホコリや糸くずをキャッチする部分ですね。
乾燥機と一体型のタイプだと、とにかくホコリがたまります。そして、乾燥機のホコリフィルターとは異なり、石けんカスなども一緒にこびりついているのです。
「ねっとりドロドロ」そんな表現がぴったりくるのではないかと思われるこの排水フィルター、お掃除がとても億劫です。
色々と試した結果、行き着いたのが台所の排水溝ネット。この方法を見いだしてから、お掃除が格段に楽になりました。
用意する物:排水溝ネット
用意するものは、台所用の排水溝ネットだけです。できるだけ目の細かいタイプがいいでしょう。深型の方が使いやすいとは思いますが、浅型でも大丈夫。
我が家はこちらのタイプを使っています。
台所の排水溝が浅型タイプなので、そのままこれを流用しています。
ネットの中で掃除する
排水溝ネットを用意したら、取り出した排水フィルターをそのまま中に入れてしまいます。
今度は、排水溝ネットの口を押さえたままの状態で、ネットの上からフィルターをこすります。水を張った洗面器などの中でこするとよいでしょう。また、最初に流水をあてると、汚れが落ちやすくなります。
こうすることで、ネットがブラシの代わりとなり、ドロドロ汚れが簡単にとれるのです。しかも、ネットが間にあるだけで、手に感じるぬめり感もずいぶんと少なくなります。
後片付けも簡単
もし、水を張った洗面器などの中でフィルターを直接洗ってしまったら、洗面器中にホコリやゴミなどが浮遊します。これを片付けるのがなんとも面倒くさい。
でも、排水溝ネットがあれば問題なしです。ドロドロ汚れはすべてネットの中に入りますので、きれいになったフィルターを取り出して、あとはネットごとゴミ箱にぽい。はい、これでおしまい。
これ、すごく画期的ではないですか?
掃除をしないでいると、排水フィルターからも確実に臭いが発生します。でも、面倒すぎるフィルターの掃除、ぜひ排水溝ネットで解決してみてください!
洗濯機に関するこちらの記事もどうぞ。
麦茶は煮出しか水出しか 〜 美味しくて安全なのは?
涼しくなってくるこの季節に、今さら麦茶の話題かと思われるかもしれませんが、この季節だからこそ気を配りたい麦茶の安全性についての話題です。
麦茶を入れるとき、煮出していますか、それとも手軽に水出しでしょうか。
我が家では、煮出してから急速冷却を心がけています。
麦茶保存の問題点(細菌の繁殖)
最近の麦茶パックは、ほとんどの場合において水出しが可能になっていると思います。水出し麦茶は作るのも簡単で忙しい毎日には大助かりですね。
でも、その麦茶は本当に安全でしょうか。
九州コープが条件を変えて麦茶の細菌検査をした結果を示していました。
http://www.kyushu.coop/tayori/1008.html
条件は3つ。
1. 煮出したあと急速冷却(保存容器は熱湯消毒済み)
2. 煮出したあと自然冷却(保存容器は熱湯消毒済み)
3. ミネラルウォーターを使った水出し(ペットボトルに直接麦茶パックを入れる)
もちろんすべて最後は冷蔵庫で保管します。
これらの条件下で細菌の増殖を検査したところ、煮出して急速冷却という方法1が最も優秀だという結果が出ています。煮出したあとの自然冷却は、冷めるまでに時間がかかるためどうしても細菌が繁殖しやすくなるようです。それよりも少しいいのがミネラルウォーターによる水出しとなっています。
煮出したあとの急速冷却では、細菌の繁殖はほとんど確認されていません。他の方法では多かれ少なかれ繁殖はあるため、この差は歴然です。
ただし、ここで注意したいのは、煮出した際に使った保存容器はきちんと熱湯消毒されているということです。また、水出しの場合もペットボトルにそのまま麦茶パックを入れているため、容器からの細菌混入はありません。
では、一般家庭でそこまでしっかりと容器を消毒することはできるのでしょうか?
麦茶用の容器といえば1リットルや2リットル入りのものも少なくありません。このサイズの容器を煮沸消毒するためには、さらに大きな鍋が必要です。煮沸まではしないとしても、そもそも耐熱容器でない限り熱湯消毒はできません。
面倒だという問題をおいておいたとしても(これも結構大きな問題ですが・・)、このように現実的な問題があるのです。
容器の消毒が完全ではないとすると、細菌の繁殖スピードがあがるであろうことは、容易に想像できます。
面倒さと安全のバランス
安全な麦茶を作るためにに必要なのは、細菌が繁殖する余地を与えないことです。
我が家では、鍋で麦茶を煮出した直後に耐熱の保存容器に移し、その容器ごと流水と氷水で急速冷却しています。容器ごと冷却する際に、ときどき菜箸で全体をかき混ぜると早く冷めます。
流水は少しもったいない気もしますが、最初の数分はさすがにこれをやらないと冷めません。容器に直接かけるのではなく、鍋に容器を入れてその鍋に水道水を流し込むかたちです。本当は容器に直接かけたいのですが、密閉容器ではないためそれはできません。
ある程度冷めたら、あとは鍋に水を張った状態で容器をつけ、そこに氷を入れています。氷は溶けるたびに追加していきます。
氷もかなりの消費量になりますが、これはあまり気にしていません。
というのも、冷蔵庫の自動製氷機で作ると結構な量の氷ができてしまうため。浄水ではなく水道水で作ってはいますが、それでもそう長くは日持ちしないでしょう。そうなると、氷も頻繁に作り替えるべきですので、麦茶の冷却に使うことで消費ペースがあがり、むしろちょうどいいくらいです。
煮出して急速冷却という一連の作業は、面倒さと安全のバランスがちょうどよく、しばらくはこの方法でいこうと思っています。
涼しくなってきた季節だからこそ
真夏は麦茶の登場回数も多く、家族の多い家庭では1日1回作っても間に合わないくらいではないでしょうか。
ところが急に涼しくなってきたりすると、麦茶の消費量が急に下がります。気がついたら冷蔵庫に何日か入っていたなんてことも。こうなってくると、細菌の繁殖ということはとても気になります。
気にしすぎても仕方のないことですが、季節の変わり目はただでさえ体調も崩しやすいときです。涼しくなってきた今だからこそ、保存状態を考えた麦茶作りを心がけておきたいものです。
ちなみに、水出しでも作ったことがありますが、煮出した方が確実に美味しいと感じます。安全で美味しいなら、少しの手間をかける価値はあるのではないでしょうか。
上にも書いたとおり我が家の容器は密閉タイプではありません。密閉タイプで横置きもできるこちらの容器が気になっています。もちろん耐熱です。
徒歩通園を楽しむための工夫
娘(3歳)が徒歩で保育園に通園するようになり、もうすぐ1年が経とうとしています。それまではベビーカーを使っていましたが、帰りは歩きたいと言うことが増え、結果的にベビーカーが邪魔になってしまったため徒歩通園に踏み切りました。
時期としては、少し涼しくなってくるこの時期を選んだことをよく覚えています。
保育園までは大人の足で7分程度。ただし起伏が激しく、かなり急な坂を上ったり下ったりしなくてはいけません。
ベビーカーでの登園は大人のスピードです。急ぎたければ自分次第なので、急ぐのも簡単。時間と気持ちに余裕があるときは、道ばたの草花を眺めたりもしましたが、家を出るのが遅くなった日は割愛できます。とにかくすべてが大人のペースでした。
徒歩通園を始めた頃は「時間がかかるようになった」という目に見える変化よりも、「時間のコントロール権を失った」という根底にある事実の方がよっぽど堪えていたように思います。
道中、気になることがあって立ち止まったり、保育園に行きたくないと言って気を引いてきたり。これらの脱線も、帰りならまだいいのです。朝は心中穏やかではなく、だんだんイライラしてきます。「ねー、いこうよー」が「いくよー」になり、「もう行くよ!」「置いていくからね!」に達するまでの時間はそれほど長くありません。
こうなると子どもも一瞬にして機嫌をそこね、ここからは悪循環のはじまり。どうにか登園させても気持ちはぐったり疲れています。
苦労の絶えない徒歩通園ではありますが、ちょっとの工夫でずいぶん楽になるものです。1年間色々と試行錯誤してきたところ、今では徒歩通園を楽しむ余裕がある出てきました(娘の年齢があがったこともありますが)。
通園ルートは複数用意
ぐずったときの特効薬は普段と少しだけ変化をつけること。
ただ一直線に保育園や家に向かうのではなく、ルートをいくつか用意しておくとメリハリがつき楽しくなります。
我が家では、ルートに名前をつけています。ダンゴムシ階段にクネクネ道、タンポポ通り、そしてお花屋さんと竹やぶ通り。
「ダンゴムシ階段通ってお花屋さんから行く?」みたいな感じで組み合わせて使えるサブルートの集合です。
機嫌悪くなりそうだなと思ったときは、「今日はどの道通って行こうか?たまには⚪︎⚪︎から行く?」のように積極的に誘っています。
たったこれだけのことですが、娘の心の中にあるモヤモヤした意識が分散するのか、思いのほか機嫌が直ることが多いのです。
探索心をくすぐる
通園路に「探せるもの」を見つけておきます。簡単なのは季節の動植物。
桜やタンポポ、セミの抜け殻にイチョウ。どれも次々と探すには事欠きません。
タンポポは、朝は大きく花を開いていますが夕方暗くなってくると閉じてしまうこと、ご存知ですか?
実は私はそんなことも知らず、娘が気付いて教えてくれました。行きと帰りで違うその様子を楽しむのはなかなか面白いものです。ちなみに、朝でも天気が悪ければ開き具合は小さめ。今日はどのくらい開いているかな?なんて言いながら、タンポポ探しを続けていけば、保育園はもう目前です。
イチョウの木があるなら、夏は銀杏探しがおもしろい。生い茂る葉っぱの中にブドウのような丸い実があればそれは銀杏です(写真)。全ての木になってるわけではないので、次はどうかな?などと誘えば自然と足が前に進みます。ただ、オスの木しかないと銀杏探しはできませんね。
とにかく大事なのは、全てが同じではないこと。次はどうかな?今日はどうかな?といった問いかけで、子どもの探究心をくすぐります。これで、あゆみも自然と軽快になるでしょう。
そして何より、こうして季節を感じながら子どもと歩くことは、実はとても贅沢な時間なのかもしれません。
雨の日だって探索のチャンスです。雨の日の苦労は想像以上でしたが、雨なら雨なりの楽しみを見つけて頑張っています。
水たまり、しずく、道の脇にできた小さな小川、雨の日にしかない発見がたくさんです。ただ、水たまりなどで遊んでしまっては意味がありません。どの辺りに何があるかを把握しておき、どんどん次へ次へと興味の矛先を移していく必要があります。
ゲーム感覚で前へ前へ!
最後の工夫はゲームです。道路に書かれたマークやマンホールなど何か目標物を決めて、いくつ踏めるかをゲーム感覚で楽しみます。
我が家で最近流行っているのは、道路工事のあとに書かれたマーク。掘り返したあとにマークが書かれていることに気づき、それを踏んで遊んでいます(基本的に歩道なので危なくありません)。
マンホールもいろいろな種類があるので面白そうだと思っています。
このとき、例えば「四角いマンホールを踏んだらポイントアップ!」のように、いくつか高得点のものを用意しておくとより盛り上がるでしょう。もちろん、実際には得点なんてつけなくてもいいのです。ただ、たくさん踏むことに夢中になれば一生懸命歩いてくれる、それだけでいいのです。
ちょっとしたことですが、これらの工夫で通園がスムーズになりました。冒頭でも書きましたが、娘の年齢があがったこともスムーズになった原因の1つかもしれません。ちなみにこれらの工夫は娘が3歳を過ぎたあたりから大きな効果を出し始めています。
何に興味を持つかはその子次第だと思います。でも、自分たち親子なりの工夫を見つけることで、徒歩通園がとても楽しくなります。
雨続きの今週は徒歩通園の私たちにとって試練とも言える毎日ですが、そんな中でも楽しみを見つけて頑張っています。
今日はかたつむり探しをして保育園まで行きました。昨日、保育園から借りてきた本が「かたつむり」だったのでその話題を出し、どういうところにいそうかなと話ながら通園したら、あっという間に保育園につきました。残念ながらかたつむりには出会えませんでしたが・・・。
ベビーカー通園に比べて時間にしたら2倍かそれ以上かかることも珍しくはありませんが、親子のコミュニケーションを取る時間としてはとても充実しています。
子どものための食器選び〜離乳食開始から幼児まで〜
もうすぐ離乳食を始めようとしている友人がいます。
娘と私が離乳食を始めたのは3年前、あれからまだたった3年しか経っていないのに、今では何でももりもり食べる食いしん坊に育っています。
初めての離乳食は毎日が試行錯誤の連続でした。そんなことを懐かしく思い出しつつ、今日は子どもの食器選びについてこれまで考えてきたことを書いてみます。
時期にあった食器選び
離乳食は、ほんのひと匙から始まります。とても小さな口に小さなスプーンで与えます。
それが半年もすれば、柔らかめの固形物を食べられるようになります。食べる量もあっという間に1日3食、大人と一緒です。
ここまでくると、今度は子どもが自分で食べたいという欲求を持つようになります。手づかみ期です。なんでも手づかみで口に運んだり、見よう見まねでスプーンを使ってみたり、そんな(親としては)戦争のような毎日を経て、スプーンやフォークが上達してくるのが2歳くらいでしょうか(個人差はあると思いますが)。
ここまでおよそ1年半。この短い期間にこれだけの進化を遂げるわけですから、もちろん食器も常に同じというわけにはいきません。
ステージごとにあった食器を使うことが、親にとっても子どもにとってもストレスのない毎日を過ごすためには必要です。
食器のステップアップ
我が家の場合、食器を3回に分けてステップアップさせていきました。
離乳食初期〜中期
まずは離乳食の初期段階です。この時期は、とてもシンプルな軽い器を使っていました。基本的に親が手に持ち食べさせるため、片手で抱っこしていても持てるくらい手軽なものが便利です。
離乳食用の調理セットがありますが、実はこれがとても便利。超初期の段階では、調理セットのすり鉢で食材をすったり潰したりしたあと、そのまま食器として使っていることが多かったです。
この離乳食用のすり鉢、普通に調理するときにも使えるので、買って損はないでしょう。今では娘も料理に使います。
例えばこのようなものがあります。
私が持っていたものはこれとは違いますが、このセットにある「カットプレート」がなんだかとても便利そう。大量に作り置きするときには向いていないでしょうけれど、ちょっと1品足すときなどには重宝しそうです。
2回食になるとさすがにこれだけでは足りないので、別の器が必要です。そこで重宝したのがこちら。
初期から中期くらいの量に適しています。地味に便利だったのがカップを冷やすための保冷剤。冷凍保存したものを解凍しても鍋で作っても、とにかく最初は熱い。0歳児に食べさせられるようになるまで冷ますのは、量が少ないと言えども結構時間がかかります。そんなとき、この保冷剤が大活躍でした。保冷剤だけもっと欲しいと思ったほどです。
先端が柔らかいスプーンも使い勝手がよく、子どもが食べるときだけでなく、この小さなカップからドロドロした離乳食をすくいやすいようになっています。
離乳食中期〜手づかみ期・自分で食べ始める時期
離乳食も2回食を経て3回食と進み、次第に大人と同じようなメニューを意識するようになってきます。主食・主菜・副菜・汁物と、その品数も増えてきます。
できるだけ子どもも大人と同じようにしようと思い、大人と同じ数のお皿に分けて盛るようになってきました。
そうは言っても、まだ食べさせることがほとんどですし、食器は親にとっても子どもにとっても扱いやすい方がいいでしょう。
そこで選んだのが、コンビのステップアップ食器セット(実際に購入したのは以下のシリーズではなく1つ前のモデルと思われるものですが内容はほぼ同等です)。
他のメーカーのものとも色々と悩みましたが、コンビに決めた理由は食器の持ち手にあります。コンビ製はカップ以外は持ち手がひとつ。それに対してお椀でも何でも両サイドに持ち手がついているものもあります。
普通お椀は片手で持ち、もう一方の手はお箸です。それなら持ち手も片方がいいのではないかと思い、こちらに決めました。
これが正解。いざ自分で食べ始めるようになったとき、片手にはスプーンを持っていますので押さえる場所は1カ所で十分。そしてこの時期はまだ食器を持ち上げて食べることもないので、小さな子どもの手に馴染むこの持ち手は必要十分でした。
さらに、持ち手が両方になくてよかったと思った理由がもう一つ。これは使ってみて初めて気がついたのですが、食器が机の上でぶつかり合います。手づかみ期の食卓はそれはもう散らかり放題です。
このとき持ち手が別の器の中に入りひっかかるのです。そうなるともう、なし崩し的にひっくり返ることがありました。
それでも、片方にしか持ち手がない分、被害を最小限に抑えられたのかもしれないと思っています。
それなりに自分で食べられるようになってきたら
さて、いよいよ1人でもまともに食べられるようになってきます。もちろんまだまだたくさんこぼしますが、少なくとも「一生懸命食べよう」という意識が芽生えます(それまでは半分は遊びです)。
ここでいよいよ陶器の登場です。たしか2歳頃だったと思います。
割ってしまわないかという心配もありましたが、外食も増えてきますし陶器のお皿にも慣れて欲しくて切り替えました。このお皿は落としたら割れるんだよということを説明したかったのです。
ただ、STOKKEのテーブルトップを使っている自宅では、結果的に食器を落としたことはありません(テーブルトップについては「乳幼児における食事環境の重要性 - Natsu life」参照)。帰省中には2回ほどお皿を割りましたが、高さのあるイスで食べていたので幸い怪我もなく、そこから「落としてはいけない」ということを学んでくれました。
陶器の食器にはメリットもあります。それなりに重量感があるため、しっかり支えなくてもずれていくことが少ないのです。
スプーンの使い方が下手だと、なかなかうまく食べ物が乗らずにお皿ばかりが動いていくことがあります。陶器の食器にしてこの問題がずいぶんと減りました。
使っているのはこちら。おばあちゃんからの贈り物です。
日本食らしくお皿を分けて盛りつけたい気持ちも多々ありますが、さすがに陶器の器を何皿も机の上に並べるのは勇気がいりますので、今のところはまだおかずはワンプレート(ただし仕切りあり)です。ただこのランチプレートがよくできていて、副菜2種を乗せるスペースの大きさが違うのです。
大人の食事を考えても、副菜2種が同じ分量で盛りつけられることは少なく、いずれか一方は箸休め程度です。そのため、片方が小さくなっていることでとても使い勝手のよさを感じます。
通常はこのランチプレートに加えてお茶碗と汁椀、さらに飲み物用のコップがきます。
汁椀は2歳半くらいからこちらを使っています。それまではコンビの両手つきカップを使っていましたが、さすがにサイズが小さくなりよくこぼすようになったので買い換えました。片手でお椀を持って口元に運ぶのにちょうど良いサイズと軽さです。見た目が大人と同じ汁椀になり、とても喜んだことをよく覚えています。
飲み物は、3歳になってグラスを使うようになりましたが、それまでは割れない素材のものを使っていました。
これが、我が家の食器ステップアップです。今のところ特に問題もなく、食いしん坊に育っています。
少しでも、どなたかの食器選びのヒントになれば幸いです。
食事環境へのこだわり
調理環境や食事をする環境によって向き不向きはあると思いますし、親子の好みも関係してくるので、これが正解というものはないでしょう。だからこそ、親子ができるだけ楽しく食事時間を過ごすためにも、食器選びは重要です。
私はたぶん、食事環境を整えることへのこだわりは強い方だと思います。これまでにも色々と試してきました。
あれこれと試行錯誤することで多少の無駄が出てしまっても、そこにはそれだけの価値があると思うのです。乳幼児の毎日は、寝て・食べて・遊んでの繰り返し。食事は生活の大部分を占めています。食環境を整えることは、穏やかな気持ちで過ごせることに繋がると思っています。
親もしかり。食事の支度も食べさせるのも、慣れるまでは本当に大変。それをストレスなく笑顔で乗り切るための工夫は、惜しむべきではないと思います。
親子が共に食事を楽しみ笑顔でいることこそが、食育の第一歩だと信じています。
食事環境については、こちらの記事もどうぞ。
飛び出さないのに立体絵本〜かがみえほん〜
少し前になりますが、以下の記事で「かがみえほん」なるものが紹介されていて少し気になっていました。
見開きのうち片方のページが鏡のようになっていて、本を90度に開いてみるともう一方のページが映り込むという仕掛けです。
http://select.mamastar.jp/2015/08/19/56850/select.mamastar.jp
今日娘が保育園から借りてきた本が、たまたまこの「かがみえほん」でした。
鏡の性質を使った立体絵本
単に片方のページが映り込むだけでなく、鏡側のページにもイラストが描かれているため、実際には3次元の空間がそこに浮き出すような感覚になります。なかなかよく考えられているなと感心しながら読みました。
娘が借りてきたのは、引用記事でも紹介されている「きょうのおやつは」。おやつにホットケーキを2つ作るお話です。絵もきれいで実写に近く、とても楽しめます。
特に1〜2歳くらいの乳幼児だと、飛び出すタイプの立体絵本を読み聞かせるのはなかなか難しいものです。どうしてもペラペラとめくれる場所に気がいってしまい、無理矢理ひっぱってしまうことも少なくないのではないでしょうか。親は破けないようにするのが精一杯ということも。
それに引き替え、この「かがみえほん」は読み聞かせにはもってこいかもしれません。飛び出す絵本よりも、集中力を維持しやすい気がしました。一生懸命かがみの向こうに手を伸ばしたりするかもしれないですね。
娘がもっと小さかったときに読んでみたかった気もします。
読むときは机の上で
なかなか優秀な立体絵本ではありますが、こちらも万能ではありません。まず第一に、視点が変われば見え方が変わります。読んであげるときには、自分の目線ではなく子どもの目線でどのように見えているかを確認した方が無難でしょう。
もう一つは、本の重量感。ページが婉曲してしまうと正しく映らないためでしょう、かなり厚めのしっかりとした紙が使われています。そのため、手に持ちながら読むとなかなか疲れます。重い本を支えているだけでも疲れますが、子ども目線でうまく映り込むように位置の調整も必要になるのでなおさらです。
できれば、子どもを座らせ、本は机などの上において読む方がいいでしょう。
「かがみえほん」だからできたこと
立体的に見えて面白いというのはもちろんのこと、もう一つ、読んでいてとても嬉しかったことがあります。
娘と並んで一緒に読んでいると、片方のページが鏡のページの中に映り込むのはもちろんですが、正面にいる自分たち親子も鏡に映っていました。
ホットケーキを作っている向こう側に、娘と私がいたのです。これには娘も大喜び。
これまでにはなかった面白さ、楽しさが、かがみえほんにはありました。
これからも色々な種類の絵本に出会って、その絵本ならではの良さに気づいていきたいものです。
朝の支度に持ち物カードを導入
ことの発端は私の忘れ物でした。
夏場は保育園でもプールに入ったり、そうでなくても汗をかいたらシャワーを浴びたりするため、タオルを持参します。
ある日うっかりタオルを忘れてしまい、娘に泣かれました。先生方は忘れ物には寛大で、園で用意してある予備のものを貸してくれます。
さらに、子どもたちが臨機応変に対応できる力をつけることも大事だからと、子どもにも借りたもので我慢するよう声かけまでしてくれます。
小学校に入って鉛筆を忘れたからといってその日一日ぼーっと過ごすようでは困るでしょ、と説明されました。なんともありがたいことです。
ところが娘はというと、自分のあのタオル(柄を指定)でないと嫌だと大騒ぎでした。
ここで負けてはいけないと、こちらも説得を続けたものの納得せず。ママが忘れたことがそもそも嫌なんだと怒り出す始末。
大体こういうときは、本心から怒っているわけではなく自分の存在を主張しているだけのことが多いもの。親の顔が見えなくなればあっという間に泣き止むことが想像できたため、そのまま娘を預けてきました。
案の定、娘はすぐに泣き止んだようです。
登園準備は誰の仕事か?
さて、前置きが長くなりましたが、この騒ぎではっきりと分かったことがひとつ。それは、娘にとって登園準備は親の仕事であるということ。
でももう3歳。手伝いが必要なのはもちろんですが、少なくとも『自分ごと』として捉えてほしいと思いました。
そこで導入したのが持ち物カード。名刺サイズのカードに登園時の持ち物をひとつずつ(1セットずつ)記入。娘がそのカードにシールを貼って完成。週初めにだけ必要なものには『げつようび』と曜日も書いておきました。
これを毎朝並べながら、必要なものを一緒に揃えます。忘れ物があったら連帯責任。これからは毎朝カードを使って一緒に準備するんだよと説明すると、娘はノリノリで毎朝の準備を楽しむようになりました。
良かったことと悪かったこと
まず第一に忘れ物がなくなりました。
そもそも、私が最初から自分のためのリストを作っておけば問題なかったのですが、それを怠っていたために起きた今回の忘れ物事件。
娘のために作ったカードのおかげで忘れ物がなくなりました。
そして、娘が持ち物を揃えることを『自分の仕事』として考えてくれるようになりつつあることも、嬉しい成果です。
カードを見ながらあっちの引き出し、こっちの棚へと走りせっせと必要なものを集めてきてくれます。曜日感覚はまだはっきりとしていないため、毎日「今日は月曜日?」と聞かれますが、毎回答えてあげればそれもクリア。
誤算だったのは、想像していた以上に時間がかかること。最初にカードを並べて持ち物をカバンに入れたらそのカードを箱に戻す。それだけのことに、驚くほど時間がかかるのです。
ある程度は覚悟していましたが、想像をはるかに超えていました。並べるカードの順番も気になれば、横一列かそれとも二列かという問題にも頭がいってしまう。毎朝今日はどうしようかなと、彼女なりに楽しみながらやっているのです。
カードを使う目的がはっきりと定まっておらず、遊びの一部になっているのでしょう。まだ始めたばかりなので、これは仕方がないと思っています。楽しみながらでないと長続きもしないでしょうし。
本当は、前日のうちに準備をすればいいのですが、保育園の準備ともなると朝に書く連絡ノートや寝る前に読む本(毎日保育園から1冊借りてきます)などがあり、どうしても全てを前日に揃えることができないのです。
中途半端になるくらいならと、今はすべての支度を朝にしています。
早く早くと急かすべきではないことは百も承知ですが、刻々とときを刻む時計を見つめながら待つのは大変です。
私の方が忍耐力を磨かないといけないのかもしれません。
カードプロジェクトの行方
持ち物カードを導入して1ヶ月。やっと少しはスムーズに進められるようになってきました。
でも、この持ち物カードプロジェクトの先はまだまだ長いのです。
いずれ小学校に入学し、持ち物を揃えるという習慣付けが嫌でも必要になってきます。そのとき、自ら進んで行動できるようになってくれれば万々歳です。
リスト化して(カードを作って)ひとつずつチェックすれば忘れ物がなくなるということを、経験として覚えてくれれば言うことはありません。
明日からもまた、時間がかかることにめげずに、持ち物カードプロジェクトを続けていくつもりです。